羽生 今回の経験者採用は係長からというところなんですけど、女性と管理職についてはどうお考えですか?

定塚 余り女性だから、男性だからって言うのは良くないとは思いますが、実感として女性のほうが自分は管理職に向いていないとか、管理職にはなれないと思っている人のほうが多いですね。それは国家公務員のアンケートでも、民間のアンケートでも同じ。男性と女性でどこまで出世したいですかって聞くと、男性のほうは役所だったら事務次官までとか、会社だったら社長までとかが多い。だけど女性は特に出世は考えていないっていう方が多い。でも実際に管理職についてみると、できるし、やりがいがあるっていうことが本人にも初めてわかる。

 私も国家公務員上級職で入って、男性と同じように昇進・昇格していくだろうなとは思っていました。それでも自分が本省の課長や、審議官、局長になって本当に仕事できるのかっていうと、若いころはそんなことできないんじゃないかなって思っていました。同期の男の子たちは、僕たちは事務次官になるんだって言っていて、すごいなぁって思っていましたけど。

 でも実際に私自身も管理職についてみたら、すごく楽しく管理職ができた。自分としては部下も気持ちよく仕事ができると思っていてくれたと思いたいし、多分そうだと思います(笑)。

できないと思っていても、やってみたらできる管理職の仕事

羽生 定塚審議官がそんなふうに思っていらしたのはびっくりです。

定塚 日本人だけがそうなのかなって思ったら、シェリル・サンドバーグさんの「LEAN IN」を読んで、アメリカですらそう思っている女性が多いんだということに驚きました。そういう女性は国際的にも多いけど、でも実際に(管理職を)やってみると大丈夫なんだということを、もっとみんなに伝えていかないといけない。女性たち自身でも、自分にはできないって思ったままの人も多いだろうし。

 一番良くないのは、企業のトップの人たちが、女性はやる気がない、管理職になりたがらないからできないと思いこんでしまうことだと思います。出世についての表現のしかたとか、どれだけ自信を持てるかとか、そういうことの男女差があるけれど、きちんと育てて実際管理職につけてみれば大丈夫なんだということをもっともっと発信していきたいです。

羽生 女性管理職はもっと増えるべきですね

定塚 国際的に見ても、もっと増えるはずですしね。特に公務って、国民は半分が女性なわけで、だからもう少し女性が増えていい。せめて3割ぐらいはいてもらわないと。

羽生 最初は、えいやっで、ドンと増やさなきゃいけないですか?