子どもの考えを笑顔で聞き続け、ポイントを教えてくれる先生を探す

【Eさん(小学5年生の母親)】

 3年生のときからSAPIXに通わせています。現在まではアルファコース(成績上位クラス)を維持しています。でも、得意の算数も伸び悩んできていますし、国語の成績がジェットコースターのようで安定しません。

 周りの子を見ると、家庭教師を付け始めています。反抗期も始まり、親が教えると喧嘩になってしまいます。良い家庭教師、個別指導についてお話を伺えればと思います。

小川 「国語の成績がジェットコースターのようで」と聞くとワクワクします(笑)。こういう子の成績は、即効で上がります。言葉を選ばず言えば、わがままな子なんです。自分の興味のある物事しか見ようとしない。興味のないことには、勝手に自分の世界の答えを書いてしまう。多分、そういう子なのだと思われます。

 この子の頭の中にあるものの見方を整えてあげればいいのです。この子の考え方をニコニコ聞いて、ポイントを丁寧にフィードバックしてあげる先生がいれば、成績は劇的に上がると思います。教え込むのでなく対話形式です。子どもの世界を分かってあげられる先生が必要です。

 さて、良い家庭教師、個別指導の選び方ですが、その先生がお子さんの長所をどれくらい見抜けるかでしょう。子どもを少し観察するだけで、「好奇心旺盛ですね」とか「日常生活でこうしたことはないですか?」と、お母さんしか知らないはずのことを言い当てる人は、その子のことを正確に読み取れている。いい指導者になってもらえる可能性が高いと思います。

いい先生は、5分もあれば子どもの特徴を何十個も読み取ることができる

参加者からも質問が飛んだ
参加者からも質問が飛んだ

Eさん (挙手をして)すみません。もう少し詳しく教えてください。私はこの質問を出した者なのですが、何分くらい子どもを観察してもらったら、分かるものなのでしょうか?

小川 5分で十分だと思います。何の口出しもせず、プレッシャーも与えず、5分間、わが子を観察してもらってください。良い先生であれば、その短時間で子どもについて何十個も特徴を読み取ってくれると思います。良い先生は子どものことを本当によく見てくれているものです。

 また、指導のときに親の同席を歓迎してくれる先生は良い先生である場合が多いです。先生を媒介にして、わが子をより深く理解すると考えてください。子どもの意外な一面を発見する。そのために先生の力を借りるのです。