子どもは勉強を楽しめないと、成績も伸びません

小川大介先生
小川大介先生

小川先生(以下、敬称略) これは真面目なお子さんですよね。勉強は頑張るものだと思ってしまっている。でも実際は、勉強って楽しまないと伸びないんですね。

 算数を「こなしている」はかわいそうですね。こなすものというところから、離してあげなければならない。この子は算数がなぜ好きなんだろう? そこには、この子の好奇心、頭の使い方があるはずです。それがなぜ社会科に結び付かないのだろう?

 子どもの好奇心を、学習のテーマに上手く結び付けさせるのが大事なのです。「この前遊びに行ったときに見た、あれと一緒よ」という親の一言で「ああ、そうだ。これ知っている」「他にはどんな関連があるんだろう」「調べたい」とつながる。どうやったら楽しめるか、という基本に戻って取り組めばいいのにと感じます。

 社会科の面白さは、ニュースで見聞きした話、大人の世界の話が、昔とつながっていることです。今、目の前にある事象と、江戸時代の話が全部つながっている。

 塾の授業がもし丸暗記なら、家庭学習ではそのつながりを見つけていく。それだけでこの子は、社会科の勉強が好きになると思います。

「ああ、なるほど」という感覚があると、勉強はどんどん楽しくなる

西村 ご相談の文面の「難解な算数がすらすらできて」というところからも、この子は、知的好奇心がすごくあることが分かる。

 ここで、知的好奇心について少し話しておきましょう。脳の働きというのは、通常すごく速いのですが、自分にとって全く新しい知識が入ってきたとき、少し時間がかかるんです。その理由は、新たに入ってきた知識が、過去に経験して収納してあった知識、体験、考え方にふとつながるからですね。ふとつながった瞬間に「ああ、なるほど」という体験が起きるんです。

 これを私は「納得」という言葉で呼んでいるのですが、そのときに実は頭の中に、快を感じる物質が出るそうですね。そのことが楽しく、嬉しいので、子どもはそれを求めて、考え、新しい知識を入れようとします。

 それなのに、むやみやたらに機械的な暗記を強いると、勉強を楽しく思えない子になってしまう。でもこの子は、算数の場合は、自分の中で「ああ、なるほど」という感覚を求めているんです。それができる子だから、理科も社会も同じように「ああ、なるほど」が得られるような勉強をしていけばいいのにな、と思います。そしてこの子の周囲には、理科、社会が楽しく指導できる人がいないのでは? と感じます。であれば、楽しく指導できる人を付けてあげれば、それだけの話なのにな、と。

 それから気になった点をもう一つ。「理科と社会科は6年生になってから頑張ればいい」という一文。これは間違いです! 理科と社会科も、4年生からちゃんとやらせてください。理科と社会科が暗記で何とかなるという一般的な思い込みが、保護者のほうにもあるのかなと感じます。