「給食を何回もお代わりするから、小学校に上がってから太っちゃって…」。母親のAさんは苦笑する。傍らには小学1年生の長女、B子ちゃんがいる。都営新宿線・船堀駅前のファミリーレストラン、初夏の休日、夕方のことだ。

 B子ちゃんは、江戸川区立の小学2年生。両親が共働きのため、放課後は「学童」で過ごす。学童といっても、江戸川区は親の就労形態を問わず希望者は全員利用できる「放課後事業」という位置づけだ。愛称は「すくすくスクール」、住民は縮めて「すくすく」と呼ぶ。

(画像はイメージです)
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 この「すくすく」で、おやつが廃止されたのは、昨年、2013年4月のこと。「希望者が少ない」というのが主な理由だ。小学生が放課後、「すくすく」で過ごす時間は、家庭環境や親の就労状況によって異なる。共働き家庭では毎日通う子が多いが、祖父母同居や近居なら、祖父母の家と「すくすく」と、どちらで過ごすか日によって変えられる。主婦家庭の子どもが、習い事までの1~2時間を「すくすく」で過ごす、という利用形態もある。

昼食から保護者が迎えにくる18時台までの6時間、水以外口にできない

 おやつの廃止で影響を受けたのは、フルタイム共働きで、かつ、祖父母が近くに住んでいない家庭の子ども達だった。12時台の昼食から保護者が迎えに来る18時台までの6時間。水以外、口にできない環境では当然、お腹がすく。

 帰宅した後、猛烈な勢いでおやつやパンを食べてしまうので、夕食を食べられず生活のリズムが崩れた…こんな声を多く聞いた。B子ちゃんの場合「自分なりに工夫したようで、給食を食べ溜めしています」とAさん。それが冒頭の「お代わりしすぎで体重が増えてしまった」という話につながる。

 何とかならないのか――。「すくすく」保護者の中には、おやつについて、区に要望をしている人もいる。特に夏季休暇中は自宅からお弁当だけでなく、おやつ代わりの補食を持たせることはできないだろうか…昨年、今年はこんな要望を出したが、却下された。