「怒りの感情」が、自分にもあることを認めよう

小川 3つ目に大事なのは、自分の中の「怒りの感情」を認めることです。親が持っている怒りは、「恐れや不安、情けなさ」が原因です。

 「このままだと、この子をダメにしてしまう」「自分が頑張らなければいけないのに」「この塾で本当にいいのだろうか、何とかしてもらえるのだろうか」という不安感は、不安にとどまらず、いつしか怒りになっていきます。

 怒りは3方向に向かいます。子ども、塾の先生、そして自分自身です。

 ふと気付けば子どもに対してものすごく怒っている、これは、子どもに対して人一倍真剣だから出てしまう現象です。そして、だから何とかしてほしいと塾の先生にお願いしているのに、先生を相手にしてさえも怒ってしまう。相手はその場をひとまずやりすごすことで手いっぱいになり、結果的に相談を聞いてもらえなくなります。

 「怒らないように我慢しましょう」と言っているのではありません。カーッと怒りの感情がこみ上げてきたら「自分は今、怖いと感じているんだ」「そうか、自分はこれができないことが不安なんだ」と認めることです。本当に怒ってしまったら自分の感情に対して負けることになります。

 塾の先生に対してなら「この問題に対してこんな努力をしたのに、まだ、これとこれができない。だから相談しようと思ったのです。私自身、とても不安なのですが、どうしたらいいでしょう」と、そのまま本音を伝えればいいのです。

 目的はあくまでも、わが子に合った学習のプログラムを見つけることなのですから。