「正解」は子ども1人ひとり違う。合格体験記は「他人の経験例」にすぎない

セミナー会場には中学受験勉強中の子どもを持つ母親達が集まった
セミナー会場には中学受験勉強中の子どもを持つ母親達が集まった

小川先生(以下、敬称略) 西村先生と私は15年来の仲間です。西村先生は算数・理科専門。私は国語専門。2人合わせてこれまで1万数千のご家族とお付き合いしてきました。

 西村先生の言葉の中で私が特に好きなのは「子どもには、生まれながらにしてうまく育つプログラムが備わっている」というもので、これに私は心底共感します。

 子ども達は誰でも新しいことを覚えるのが好きです。みんな基本は勉強が好きなんです。うまくいっていない子のほうが例外であって、そこには必ず原因があります。

 子育てや勉強に「正解」はあるのです。正解を見つけたら成績は上がる。ただ、自分の子の正解は、よその子とは違う。それを見つけるのがとても難しいのです。

 有名家庭教師の中にも、必ずしもすべての子どもの成績を上げられない場合があります。例えば、5年前に受け持ちの子を男子御三家の一つである開成中学校に合格させたことがある先生が、別の生徒に対しても前回と同じ勉強法を当てはめてしまったことがありました。その先生の言い分は「合格のさせ方を私は知っている」。でも、実際は「ある特定の一人の子を合格させる方法を、私は知っている」でしかなかった。

 この違いを理解していない先生が、私の見る限り、「先生」の98%を占めている。先生の本当の価値というのは、その子に合ったプログラムを見つけられるかどうかなんですね。

 では皆さんのお子さんのプログラム、成功のポイントは何でしょうか? 今日はそこにお気付きいただければと思います。