「ぼく、せっかくお手伝いをしたのにさ、ママがやり方が違うって言うんだよ! これって、ぎゃくたいだよね?」

……と億面もなく言ってのける大人の男がいるというのだから驚きだ。妻に家事のやり方を直されただけで「家事ハラされた!」と言う男たち。元々の「家事労働ハラスメント」の意味をまるっきり理解していない上に、自分が被害者面とは呆れる。

妻は“セックスできるママ”じゃないよ

 家事は、人が生きるために必要な労働だ。自分で自分の世話が出来ないのは赤ん坊と同じこと。家事、全く出来ませーん! 育児、かみさんに任せっきりでーす! って平気で言う男がいるけど「ぼく、ママがいないと生きて行けないんでちゅ」って言っているようなものだ。

 一緒に寝てくれて、世話までしてくれる女を手に入れる。それが彼らの結婚だったのだろう。つまり、セックスできるママを確保したわけだ。実際に子どもが産まれると、当然のように自分も子どもの座に収まる。彼らにとって「ママ」とは、家族みんなの世話係のこと。だから妻が子どもを産むと「僕のこともよろしくね」と嬉々として妻を「ママ」と呼び始めるのだ。