今回は、子育てしながら働く家庭に、そしてすべての保育園、幼稚園など小さな子どもを預かる場所に1冊置いてほしい本を紹介します。『保育現場の「深刻事故」対応ハンドブック』(ぎょうせい)。A5版で全117ページ、厚さはペン1本分とコンパクト。本書の内容と共著者からのメッセージをお伝えします。

『保育現場の「深刻事故」対応ハンドブック』
『保育現場の「深刻事故」対応ハンドブック』

 「子ども」に関する本ですが、内容は大変深刻で、ぱらぱらとめくった最初のほうには心肺蘇生のやり方が、イラスト入りで書かれています。そう、この本は未就学児を預かる施設で、死亡や重症につながる事故の事例や対応が具体的に書かれているものです。

 119番通報、園内での役割分担や事実の記録など、緊急時の対応を解説するだけでなく、保育園・幼稚園などでそのままコピーして使える「事故の記録用紙」が付いています。事故事例から学ぶべきこと、日常的にできる対策を記したうえで、再発防止のための検証制度づくりを提言しています。

医師、弁護士、心理学者、親の立場から子どもの事故を考える

 本書は4人の共著者によって書かれました。医師、弁護士、心理学者、そして事故に遭った子どもの遺族です。

 共著者の一人、小児科医の山中龍宏(やまなか・たつひろ)さんは横浜市の緑園こどもクリニック院長。日本小児科学会において、子どもの死亡登録・検証委員会オブザーバーなどを務める、子どもの事故予防に関する専門家です。ある事故で病院に搬送されてきた子どもがすでに治療できる状態にはなく、その子どもをみとった経験がきっかけになり、20年以上前からこの問題に取り組んでいます。

 弁護士の寺町東子(てらまち・とうこ)さんは、保育園、学校で起きた事故の被害者や家族をサポートしてきました。寺町さんが関わった埼玉県上尾市の保育園で起きた事故については、ジャーナリストの猪熊弘子さんが『死を招いた保育』(ひとなる書房)で素晴らしいルポを書いています。

次ページから読める内容

  • それぞれの実体験をふまえ、実際的な情報を提供
  • 事故予防の知識が、日々の育児をラクにする
  • 「しっかり見守らなきゃ」という精神論に頼らない
  • 保育状況に不安を感じつつも信じるほかなかった
  • 恐れずに保育施設とコミュニケーションを取るには
  • 記名や置き場の指定にも理由があることを知る

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