小中学生から渡英させると、濃密な友達関係を築ける

参加メンバー 英国留学は魅力的ですが、不安もあります。若過ぎるうちに留学してしまったら、日本人としてのアイデンティティーが失われてしまうのでは?

コーシア 確かに、中学校で留学して何も手を打たなければ、日本語が中学生レベルで止まってしまうというケースもあります。日本の料理、伝統文化を忘れないようにするためにも、ガーディアンは日本人にお願いして、必要な策を講じる必要があるとも言えます。

 そんな心配から、小学校2年間だけ留学させてそれ以降は日本の教育を受けさせる、という選択をするご家庭もありますよ。

参加メンバー 短期間でも効果はあるのでしょうか?

コーシア 若いころは語学の吸収も早いので、2年といった期間でも英語力は上がります。社交的な子なら、その他の効果もあるでしょう。

参加メンバー そうした短期留学は、帰国後に帰国子女枠にはならないのですか?

コーシア 赴任ではなくボーディングスクール留学の場合は、残念ながら日本に受け皿がない状態です。だから早めに留学させて日本に戻すか行きっぱなしにする、の二択になりがちなのです。

参加メンバー 親子で行っちゃうというのはどうでしょう?

コーシア いいアイデアですね。親が英国内に住んでいれば、ガーディアンも要りませんしね(笑)。

参加メンバー ボーディングスクール留学と大学以降での留学との違いを教えてください。

コーシア 例えば、私は教育学を学ぶために英国の大学院に留学しました。それに対してボーディングスクールの留学は、専門性を突き詰めるのではなく、一般教養すべてを英国で学ぶということになります。また、留学年数によれば長年にわたって寮で暮らすため、友達との関係がとても密になります。一生涯の友達ができるわけです。

 ある程度の年齢になってから体験する寮生活や友人関係構築と、幼いうちに体験するものは質からして大きく違ってくるでしょう。自立心や問題解決の力も若いうちから養うことができると思います。

コーシア郁実さんが講師となり英国ボーディングスクールについて情報交換するママ会
コーシア郁実さんが講師となり英国ボーディングスクールについて情報交換するママ会

(ライター/阿部祐子、撮影/花井智子)