英国留学で避けて通れない「ガーディアン(身元引受人)制度」

コーシア 英国の学校に在籍して、保護者が英国外に在住している場合、国内での保護者の役割を担うガーディアン(身元引受人)を付けることが法的に義務付けられています。学期間の休暇には学校も寮も閉まってしまうので、ホームステイ先も必要です。

 この2つが留学の快適さを大きく左右するので、注意点も含めてお話しします。

 ガーディアンは書類上のものというイメージをお持ちになっていて、当初は重要性に気づかず「なってくれれば誰でもいい」と決めてしまうご家庭が多数です。

 ところがガーディアンというのは、つまり親代わり。学校行事への参加を許可する、統一試験教科を選ぶときのアドバイスをする、成績が思わしくない場合に家庭教師を付けるか否か判断するといった、学校生活に関する細かな点を保護者とともに考え、決定していきます。お子さんのことを深く理解した人にお願いしなければ、適切なアドバイスをもらえません。

 留学エージェントの仲介で決めることもあるのですが、ある留学生の例では、会っても全くコミュニケートしてくれない、2年間留学しているのに一度も会ったことがないという例も聞きます。

 一時期、ガーディアンの会社が乱立したことがあり、質を保つために、私も加入している「ガーディアン協会」が設立されました。それでもなお、きちんとコミュニケートしてくれない、役割を果たしてくれないガーディアンもいるのです。

 日本人の場合、親自身に英語の自信がないときは、日本人のガーディアンが望ましいと言えるでしょう。

 ガーディアンに対して学校からは、細かな連絡が頻繁に来ますし、統一試験の時期は、結果を保護者とともにガーディアンが受け取ることもあります。大学受験に関しては早い意思決定も必要になるので、問い合わせたときに放置せず、すぐ対応してくれる人がいいでしょう。

英国ヨークシャー州郊外の伝統ある女子校
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