指導の合間に、こんな風に遊んでいる息子。「こら、話を聞け!」と思いましたが「こうやって遊びながらやる子はできるんですよ」と江藤先生。ま、リラックスして楽しんでいるのは伝わってきます。

指導者は生徒の「横」ではなく「前」に立つ

 先生の指導を見ていて気づいたのは、いつも息子の前に立っていること。動かした息子の手が届くところに、いつも手を差し伸べて導いてくれます。なんでも、こうすると顔が見えて安心するだけでなく、前方を歩くことで子どもが泳ぎやすい水流ができる(これを「キャビテーション効果」というそうです)のだとか。

 そして60分のレッスンで、息子はもう普通にクロールができるようになっていました。

 まだ、顔を少し前に上げてしまう癖があるけれど、そこは課題かな。でも「クロールできるようになったよ!」と大喜びしていました。

 レッスン終了後は、冷えた体をお風呂で温めます。

 正直「クロールぐらい自分で教えられるかな?」と思っていましたが、さすがにプロの指導は違いますね。「ゆっくり泳いだほうが体も沈まず楽」とか「子どもの前に立つと泳ぎやすい水流ができる」とか「平泳ぎの練習をすると水を掴むのが上手くなって結果的にクロールも上手くなる」など「なるほど!」と思える生きた知識をたくさん教えてもらえました。また、個人レッスンの良いところは、先生との距離が近くすぐに仲良くなれるところ。最後には、息子もこんな笑顔でした。

 さて次の日の朝。息子は「今日はクロールやるんだ!」と嬉しそうに出かけていきました。一回のレッスンで完璧に泳ぐことはできないかもしれませんが、「こう泳げばいい」という指針を体験しながら教えてもらえたことは、息子の大きな財産になったように思います。

(文・写真/岡部敬史 撮影機材協力/オリンパス)