羽生 これを徹底しようというわけですね。

定塚 そういう意味で、今回は各省の次官級でトップの会議をしていただいて、(首相)官邸からも次官級がリーダーとして各省庁でしっかりやってほしいということをお話しになっています。各省のリーダーである次官が、あるいは局長や現場の課長が責任を持って働き方を見直し、いらない仕事をなくし、仕事のやり方を変えていく。遠いようですが、やっぱりどこの会社でも同じだと思いますし、そこを徹底してやることになると思います。

羽生 求められる管理職像も変わってきていますね。

定塚 そのとおりですね。管理職がワークライフバランスにきちっと意識を持って、部下のワークライフバランスが実現できるように。子育て、介護、いろんな制約をもった職員がそれぞれ活躍できる。公務でもそういうことを人事評価にきちっと組み込んでいくことも求めていこうと思っています。

羽生 評価の構造も変えていく必要がありますね。

定塚 もうある程度変えてきてはいるんですけどね。さらにもう一段追加したいと思っています。これまでもほんわかと部下のワークライフバランスに配慮することもマネジメント能力なんだということは言ってきているんですが、そのシグナルを霞が関全体に送っていかないといけない。どういう人が幹部にふさわしいか、上からの意識改革も含めてどこまで、どうやってできるかということを検討しているところです。

(次回へ続く)

(写真・構成/日経DUAL編集部 市川史樹)