子どもの好奇心や探究心を刺激し、能力を伸ばす「子育ち」の家では、住まいづくりにも子どもの成長段階に応じた工夫が求められる(「“居どころ”で能力を伸ばす「子育ち」の家とは?」も参照)。今回はそんな、子どもと一緒に育つ家を実現するためのアイデアを、積水ハウス総合住宅研究所の河崎由美子課長に伺った。

自分だけの「隠れ家」を家の中につくる

 子どもが小さいうちは家で過ごす時間が長く、家の中が大事な遊び場になる。最近は子どもに目が届きやすいよう、オープンな間取り空間が望まれる傾向が強まっているが、そんななかにも子どもが自分だけの“居どころ”と感じられるスペースが必要だという。

階段下を有効利用してつくった子どもの“隠れ家”的な空間
階段下を有効利用してつくった子どもの“隠れ家”的な空間

「家の中の小さなスペースを活用して“隠れ家”空間を設けることで、子どもが創造力をフルに働かせて遊ぶことができるようになります。例えば階段の下にちょっとしたスペースを確保すれば、子どもが自分の宝物をしまったり、好きなことに集中したりしやすくなるでしょう」

 この階段下スペースのように、子どもの隠れ家空間には収納場所も確保しておくことがポイントだ。子どもが遊んでいたおもちゃや絵本などをすぐにしまえる棚などを設けておけば、片付ける習慣も身に付く。子どもが成長して隠れ家が不要になっても、収納スペースとしてずっと活用し続けられるだろう。

 「リビングの隣に家族みんなで使えるクロークを設けるのも有効です。クロークの入り口を工夫してちょっとした秘密基地風にすれば、子どもが喜んで物を出し入れするでしょう。リビングが散らからなくなれば子どもを叱りつける必要もなくなり、親のストレスも軽減されます」