このコラムでは、子どもの健康と育児の悩みを相談できる働くパパとママのためのスマホサイト「らくらく育児モバイル」で活躍している医師団が、日経DUAL読者の質問に答えます。

Q.子どもが軽いアトピー性皮膚炎です。赤みが出たときにステロイドを塗っています。ステロイドを塗り続けるのは避けたいので、赤みが引いたらステロイドを塗るのはやめてもいいものでしょうか。ただ、出ては治まり、出ては治まりの繰り返しです。

A.アトピー性皮膚炎で炎症が起きるのにはいくつか理由があります。

 アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。
 本来、炎症は体の外から侵入してきた敵と戦って退治するという免疫反応によって起こるもので、細菌やウイルスなどから身を守るために必須のものですが、アトピー性皮膚炎ではこの免疫が過剰に反応し、本来退治する必要のないものに対しても不必要に炎症が起きてしまうことが病気の根本にあります。
 免疫が過剰に反応する理由としては、もともとのアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)や皮膚のバリア機能低下も大きく関係しますが、他に、長期間皮膚に加わる強い刺激やストレス、疲労なども免疫を不安定にしてアトピー性皮膚炎を悪化させることがあります。
 皮膚の炎症が続くとそれに伴ってかゆみも持続し、さらにひっかいてしまうことにより炎症が悪化し、バリア機能もさらに低下します。
 そのため、外からの刺激をますます受けやすい状態になります。
 この悪循環を食い止めるためには…