とはいえ、実際には、かなりの定員割れをしているところがある一方で、利用希望者が集中してしまい、結果として待機児童問題が噴出している地域もあるのが現状。学童保育クラブは小学校区域に対応した利用が前提となっているため、状況によってかなり差が出てくるようだ。

 なかでも、待機児童問題が噴出しているのは、目黒区の西部地区のエリア。学童保育クラブで言えば、八雲・宮前・東根・大岡山の4つの区域にあたる。

 目黒区は児童館と連動した学童を運営しているが、さらに目黒区の児童館には、「ランドセル来館」という制度もある。2007年度から始まったもので、1年生から6年生まで、登録したすべての小学生が放課後に帰宅しないでランドセルを背負ったまま児童館に行って過ごすことができるというものだ。児童館が開館している18時(土曜日は17時)まで利用可能と、学童とほぼ変わらない時間設定のため、学童に通わせなくても何とかなりそうな場合や、子どもの成長に合わせて学童保育クラブから移行するといったケースも多い。

 ところが、この西部地区には、ランドセル来館を実施する児童館の数がわずか2つしかないという、児童館未整備地域なのだ。そのため、児童館で行うランドセル来館が利用できない状況で学童に頼らざるを得ない児童の数が多くなってしまい、利用希望者がどうしても集中してしまうのだという。

夏休み期間限定募集もスタート

 「西部地区に関しては、できるだけ待機児童は出さないようにということで、近隣の学童保育クラブをご案内したり、児童館のランドセル来館を利用いただきながら待っていただくという形にしています。区としては、学童保育クラブが併設されると共に、ランドセル来館を実施している児童館そのものの整備が西部地区に関して大きな課題になっています」

 また、特に夏休みの期間は学童保育クラブの出席率が下がって若干の余裕が出るため、夏休み期間限定での募集も近年、始めたのだという。

 ちなみに、毎年、入学前の2~3月にかけて入所が決定した保護者を対象とした学童保育クラブの説明会が開催されるが、その前の11月には、目黒区内5つの地域ごとに入所を希望する保護者のための説明会が開催されている。各保育園にポスターなどを掲示して告知されるもので、卒園を間近に控える保護者はもちろん、わが子が年中のうちに知っておきたいという場合でも参加できるので、早めに知っておきたい方は、参加してみるのもいいのではないでしょうか。

 西部地区では大きな課題があるものの、その他の地域では待機児童問題もなく、その学童保育の質も高いと評価されている目黒区の学童保育クラブ。次回は実際に目黒区の学童保育クラブを取材してきます!。