基本的には通う小学校の区域によって学童が決まっており、対応する区域の学童に通うことになるが、なかには学区域が広い4つの小学校の場合は、地域で2か所に分けて通うところもあるようだ。

(ちなみに、私の娘はどこの学童に通うことになるのかHPには情報がいっさいなかったために困惑していたが、やはりその情報は掲載されていなかった模様。今後、掲載されるようになるとのこと)

 目黒区には、地域コミュニティを活性化させるための独自の施設「住区センター」がある。そのなかに学童併設の児童館があるのが一般的なスタイルだ。他にも、児童館ができる以前からある学童の場合は、保育園に併設されているものもある。最近新しく作られた学童の場合は委託化の流れがあり、さらに小学校に併設されるものも平成になってから4つと増えてきている。

 そういう意味では、目黒区の学童保育クラブというのはその形態が様々で、バラエティに富んでいると言っていいのかもしれない。

 今後、小学校の校舎自体が古くなって建て直す場合には、小学校併設の学童が増えていく可能性はあるのか聞いてみたところ、「小学校の施設を有効利用できるとか、移動距離がないというのは保護者の方も安心ですので、その流れになるのが自然かもしれません。ただ、子どもの立場に立って考えると、やはり切り替えができない。小学校という教育現場と学童では、遊びも含めた生活というなかでの切り替えが、同じ学校内にあると、うまくできないというケースもあります。小学校に併設する学童の場合、運営のなかでその点をどう工夫していくべきか、というのがひとつの課題ではあります」と言う。

 さらに、学童の委託化については、民間の活力の活用ということで話が進んでいて、3年後の平成29年度から順次、5つの学童保育クラブを公営から民営に切り替える計画になっている。民間に学童の運営を委託することで、保育の質の低下を心配する声もあるが、「委託化に際して、質を落とさないというのが大前提ですから、どういった形で進めていくのがいいのか、事業者を募集する段階から今の学童保育の質を維持できるような募集要項をみなさんと一緒に作っていきましょうといったスタンスで進めているところ」なのだという。

学童保育クラブの今後の課題

 学童にわが子を通わせることになる親にとって最も気になるのは、やはり、学童の待機児童数だ。目黒区の学童保育クラブは各施設ごとに受入人数の上限が決められていて、施設の規模によって小さいところだと40人、大きいところだと70人と定められている。この上限数を合計すると、目黒区の学童全体では、1569名の受け皿があり、学童保育クラブの利用者数は1363人(2014年6月現在)。約200名の余裕があるというのは意外だった。