「学童保育クラブでの生活は、指導員のもとで行事や遊び・学習など様々な活動をし、互いに教えたり伝え合う等の異年齢集団の良さを持っています。また、自主性・創造性・協調性を養い、成長・発達を促す生活の場となるため、自由で家庭的な雰囲気を作るように努めています」

 あくまでも学童は“生活の場”であることにこだわり、、目黒区独自の学童の伝統を守り続けているようだ。

 「区の児童館運営指針というのがありまして、そのなかで学童の事業を運営していくことになっています。児童館とセットで学童が運営されているというのが、一般的な目黒区の学童の形態になっています。目黒区は『学童保育クラブ』と呼んでおりますが、その学童のプログラムのなかで、登録している子どもたちを中心とした“生活”というところに重点を置いたプログラムになっています」(目黒区子育て支援課)

 目黒区の学童保育クラブは、基本的に児童館に併設されていることが多い。児童館にやって来る子どもたちとの交流もあり、児童館の施設である工作室や音楽室、図書室などで一緒に遊んで過ごすこともある。

 「ただ、学童独自のおやつであるとか、学童の子どもたちだけの集団活動プログラムもありますので、その時間帯は学童児童のみの活動になっています」

 区の案内に掲載されている学童保育クラブの1日は以下のようになっている。

 保育時間は、他の自治体とほぼ同じで、平日は下校してから18時15分(土曜日18時)まで。夏休みなどは8時15分から18時15分(土曜日8時30分~18時)となっている。

 学童の職員は、常勤が2~3人、非常勤職員も2~3名が配置されている。さらに、障がいを持つ児童など、より配慮が必要な場合には、非常勤職員をさらに増やして対応。いずれも保育士や教員の資格を持つ人がほとんどで、常勤は区の職員で、非常勤は同区の専務的非常職員という扱いになっているので、人員配置という面では恵まれていると言っていいようだ。

 ちなみに、学童保育クラブを利用するには申請が必要で、ほとんどの自治体と同様、利用基準が定められていて、受入人数を上回った場合は、指数の高い順に決定される。保育料は月額7000円で、このなかにおやつ代も含まれている。

バラエティに富んだ形態の目黒区学童

 現在、目黒区には区立小学校が22校あるが、区立の学童保育クラブは、その数を上回る26クラブとなっている。その内訳は公設公営の学童が20か所のほか、公設民営または民設民営6か所だ。