座席の選び方から当日の服装まで。これでミュージカル初体験でも安心

●チケットの買い方、座席の選び方
 ほとんどの公演の場合、インターネット、電話予約、劇場窓口での直接販売がある。公演タイトルで検索すればそのままネットでチケットが買えてしまうことも多く、残席状況も確認できるので直前でもトライする価値はある。
 座席にはいくつかの席種があり、おおむね1階、2階の前方、中央ゾーンがS席。サイドや後方など、ステージから離れるにつれ安い席となってくる。「せっかくなのでベストの席で」「何度も観たいからお安い席で」など、選択はお好みで。
 場合によっては具体的に座席指定ができることもある。一般的に演劇界では「とちり席」といって1階7~9列目のセンターブロックが、最も見えやすいベストの席と言われるが、演目によっては演出上、1階の(サイドブロックとセンターブロックの間の)通路際がお勧めの作品もある。例えば劇団四季の演目なら『ライオンキング』や『はだかの王様』『魔法をすてたマジョリン』がそれに該当する。

●事前の準備、予習
 観劇は子供に「公共の場におけるマナー」を伝える、良い機会でもある。
 自宅でテレビを見るのとは違って、大勢の人と一緒に楽しむ場なので「静かに」「動かずに」観ることが望ましいが、小さい子の場合は、初回からあれもこれもというわけにはいかないかもしれない。
 例えば、最初の観劇に際しては前日ぐらいから「○○ちゃん、お芝居のとき、ずっと『しーっ』できるかな?」と「静かにしていること」をテーマに掲げ、当日、子供がおおむね静かにしていられたら大袈裟なくらいに褒める。二回目の観劇では「今日は『じーっと』できるかな?」と「もぞもぞしないこと」をテーマに……といった具合に、段階的に目標を設置すると、子供もストレスなく観劇に慣れてゆける。
 またミュージカルは予備知識が皆無でも楽しめるものが多いが、例えば物語の舞台を地図上で確認しておくなど、親子で軽い下調べをしておくと、いっそう親しみが湧くこともある。観劇後に子供に聞かれそうなことを予習しておいて、例えば『ジョン万次郎の夢』なら開国に際しての日米の事情を補足説明してあげたりすると、「パパ、何でも知ってるんだね、すごい……」と、子供の見る目が変わってくるかも?

●下の子が乳児の場合は?
 例えば子供が二人いて、下の子はまだ乳児。途中で泣き出したりしないか心配…という時は、多くの公演では託児サービスを実施しているので、思い切って下の子だけ預けて観劇、という手もある。料金や預かれる子供の年齢は公演(提携する託児所)によって異なるため、各公演のちらしやHPで確認を。「親子観劇室」のある劇場なら、「二人の子と一緒に親子観劇室に入る」「パパとママのどちらかが下の子と一緒に親子観劇室に入る」ということも出来る。

小さな子供も劇場でスタッフにあたたかく迎えられる瞬間は、親子にとって格別なものだ
小さな子供も劇場でスタッフにあたたかく迎えられる瞬間は、親子にとって格別なものだ