海外進学のカギを握るネーティブ教員 出願用のエッセー指導も
渋谷教育学園理事長 兼 渋谷校・幕張校校長の田村哲夫さん
―― 海外大学への進学について、もう少し実践的なお話を伺います。日本の大学の場合、志望校の「赤本」を買って傾向を知り、対策を立てることができる。海外の場合、情報そのものがわずかです。やはりここでも、ネーティブスピーカーの教員が活躍するのでしょうか?
田村理事長(以下、敬称略) 例えば、海外からの入学志望者が多いアメリカの有名大学には、入試などの情報を共有する集まりがあります。わが校のネーティブスピーカーの教員はそこに参加し、最新の情報を入手してきます。もちろんこちらの情報も提供する。
アメリカは、一発勝負の試験で上から合格といった日本の大学と、入試システムそのものが違います。SAT(大学進学適性試験)も考慮されますが、超難関校を受ける生徒は当然、満点近い。その中でエッセーを書かせたりインタビューをしたりして、自分の学校にふさわしい生徒を採るわけです。
しかし大学によって、エッセーのポイントは必ずある。進学にはまず情報をつかんでおかなければなりません。当校は海外進学者が多いので、そうしたリサーチをする意味があるわけです。
―― 出願用のエッセーを添削したりもするのですね。
田村 もちろんです。そのための教員とも言えます。この仕組みを作り上げるのに、やはり10~20年はかかりました。当校のようなシステムを持たない学校から海外大学に進学する場合は、海外進学専門の塾に通う必要があるでしょう。
―― なるほど。では生徒が「海外でこういうことがやりたい。どこの大学に行ったらいいですか?」といった漠然とした質問をしても対応してもらえるのですね?
田村 そういった相談にも随時対応しています。
次ページから読める内容
- 生徒達は海外進学の費用を、大学からの奨学金取得を前提に考える
- どこの大学、ではなく「どんな人生にしたいか」から始まるキャリア教育
- 卒業生が気軽に“遊びに来る”ことが在校生の刺激に
- 学校文化が根付くまでの20~30年間は「待ちの時間」
- 人気が高まるにつれ、難しくなっていく受験問題
- 子どもは「育つ」もの 大切なのは「どんな友達をつくるか」
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