そして、赤ちゃんが生まれて何かと物入りになる時期。家族との時間を大切にしつつ、収入を減らさない「有給休暇の取得」は、新米パパの「グッジョブ」である。

・「在宅で勤務」

 在宅勤務も含む「テレワーク」の普及がミッションである弊社は、当然、在宅勤務制度は導入済み。終日の在宅勤務も、1日の就業時間の一部を在宅勤務することもできる。彼がこの日、かわいい赤ちゃんを家に迎え入れた後にもかかわらず「在宅で勤務しよう」と考えたのは、理由があった。その日の夕方に、大切な社内会議があったのだ。「家族か、仕事か」の取捨選択ではなく、彼は、在宅勤務で両方を取ったのだ。

・「勤務再開」

 在宅勤務というと、「在宅でもできる仕事を家に持って帰る」と考えている人は少なくない。しかし、それだと、持って帰る仕事を準備する必要がある。私は、「仕事を切り分ける」在宅勤務には限界があると考えている。目指すべきは、「いつもの仕事が家でもできる」在宅勤務だ。彼の「再開」という言葉は、「会社での仕事の続きをする」在宅勤務であることを自然に示してくれている。

・「させていただきます」

 彼は上司である私に「許可」を求めているのではない。「家族を大切にする」思いと、「仕事を遂行する」強い意志を伝えてくれているのだ。社員がワークライフバランスを保てるよう、自律的に選択できる環境や制度を会社が用意することが重要だ。

 社員が、私がずっと目指してきた「柔軟にしっかりと働く」環境を理解してくれている。このことが、この3行のメールでわかり、本当にうれしかった。