今、注目を集めているテレワーク。言葉は聞いたことがあるけれど、実際にはどんな働き方なのか、企業や組織がスムーズに導入、実現するにはどうすればいいのでしょうか? 日本初のテレワーク専門のコンサルティング会社(株)テレワークマネジメントを設立。企業の在宅勤務導入支援や、国や自治体のテレワーク普及を数多く手がけてきたテレワーク推進の第一人者・田澤由利さんが解説します。

 パパだって、子どもはかわいい。ずっとそばにいてあげたい。奥さんに任せずに、一緒に育てたい。でもだからといって、仕事をなおざりにしてはいけない。働いて稼ぐお金は、家族が幸せに暮らしていく基盤である。だから、どんなにやさしいパパでも「子育て」だけではダメ。「子育てをしつつ、仕事もしっかりこなす」。これが、真のイクメンの姿だ。

出産した奥さんが退院する日のメール

 6月末、弊社の男性社員に待望の赤ちゃんが生まれた。社員に家族が増えることは、経営者としてもうれしい。「イクメン」が増える中、社員にもしっかり子育てをしてほしいと思う。

 ある朝、その男性社員から、メールが届いた。

 もちろん、OK。社員がパパになったこと、奥さんが退院すること、こういう柔軟な働き方を希望してくれること、そして、普通にOKできる会社であることを、とてもうれしく思う。

何より、このたった3行のメールに、社員の、そして経営者である私の、さまざまな思いが見え隠れしている。

・「当日の連絡」

 勤怠連絡はせめて前日に、とは思うが、だからと言って何か準備が必要かというとそうではない。事前連絡に越したことはないが、災害や病気は突然やってくるもの。会社に、緊急であっても「在宅勤務」ができる体制ができている、ということが重要なのだ。

・「3時間有給」

 弊社では「年次有給休暇の時間単位付与」を就業規則に規定しており、年間5日以内であれば、1時間単位で有給休暇を取得することができる。法令では定められていないが、柔軟な働き方には必須と思い、導入した。