「仕事と子育ての両立」―これまではもっぱら女性たちが悩んできたテーマが、今、男性の眼前に迫っている。親も上司も先輩も経験してこなかった境遇。
 まだ「男は仕事をしてナンボ」の組織の中で働きにくさや孤独感を感じつつ、会社では悩む姿をおくびにも出さず、重圧にも笑顔で耐えている…。
 働きながら子育てをする男性たちの日常、そして滅多にもらさない彼らの汗と涙と笑顔の本音を、書籍『男たちのワークライフバランス』からお届けします。

窮地を救ってくれる親は強力なサポーター

 夫婦ふたりで、バリバリと働きながら子育てをする――。ここまで、働く夫婦の様々な奮闘ぶりを紹介してきたが、ふたりだけではどうにも前途多難である。

 そこで、強力な助っ人として窮地を救ってくれるのが、互いの両親だ。

 たとえば、「ふたり同時に出張や残業が入ってしまった!」「子どもが風邪をこじらせて寝込んでしまった!」など、にっちもさっちもいかないことが時々起こる。そんな時に親に駆けつけてもらえると、本当に救われる。

 共働き夫婦の場合、どちらかの両親と同居している人や近くに住んでいる人も多く、中にはかなり手厚いサポートを受けている人もいる。

 出版社で編集者として働く由香さん(仮名・32歳)の場合は、息子の保育園の迎えから食事の支度まで、同居している夫の両親が面倒を見てくれる。取材などで遠方への出張もたびたびあるが、「両親がいてくれるおかげで、好きな仕事に思いっきり打ち込むことができるんです!」と話す。