同居というと、相手の両親に気を遣い、かえって精神的に疲れてしまうケースもあるようだが、夫婦がともに働いている場合は、由香さんのケースのように大きな力となってくれているようだ。

 また、同居しないまでも、近所に住んでいれば、いざという時に頼れて、心強い。働き続けるために、わざわざ実家の近くに引っ越した人もいるほどだ。

 双方の実家が遠く離れていても、親の援助を受けているケースもある。

 たとえば、前回の松島さん(「誰よりもイクメン!」だけど、職場で置いてきぼり)は、仕事で年に4、5回海外出張があり、しくも妻の泊まり勤務と重なってしまうことがある。そのような時は、福岡県に住む妻の母親が応援のため、わざわざ上京してきてくれるのだという。

 さらに、母親が上京できない時は、子どもを福岡まで飛行機で連れていき、妻はそのままフライト勤務に赴くそうだ。このようにして緊急事態を切り抜けている。

 「妻の親が一所懸命サポートしてくれるから、こうしてピンチを乗り越えられるんです。親って本当にありがたい。正直、親の援助がないと厳しいですよ」(松島さん)

 その一方で、親にはまったく頼れないという人もいる。

 親がすでに他界していたり、子育てを頼むどころか、むしろ介護が必要だったりする場合だ。

 また、最近では親自身が仕事や趣味に忙しく、子どもを預けにくいというケースも増えている。親のサポートを得られないこうした人たちは、夫婦で力を合わせてピンチを乗り越えるか、第三者の力を借りる必要が出てくるのだ。

親が頼れない人にとって心強い第三者機関の存在

 夫婦ともに子どもの面倒を見ることができず、親のサポートも受けられない時に頼りになるのが、ベビーシッター・サービスやファミリー・サポート・センターなどの第三者機関である。

 ベビーシッター・サービスとは、利用者の自宅で子どもの面倒を見てくれるものだ。保育園の送り迎えから、子どもの相手、食事づくり、入浴、寝かしつけまでひととおり行なってくれるので、忙しい親には心強い。