「ドラえもん」には、のび太とドラえもんの別れのエピソードも何度か描かれます。のび太はドラえもんに甘え、すぐに助けてくれる、頼れる存在だと思っていますが、ドラえもんはずっとのび太のそばにいられるわけではないのです。本作はドラえもんの存在を通して、家族や大切な人たちと一緒にいられることが、いかに貴重なことかということを教えてくれます。

ドラえもんは、いつかは未来に帰らなければならない。
ドラえもんは、いつかは未来に帰らなければならない。

 毎日を大切に過ごしながら、幸せになるために一生懸命頑張る。小さな子どもたちには、ちょっと難しいメッセージかもしれませんが、本作を見たら、きっと何かを感じ取ってくれると思います。本作には、小学生ののび太と、未来にいる大人になったのび太(声はTOYOTAのCMでのび太を演じている妻夫木聡さん)が出てきます。
 大切な人との貴重な時間を大事にし、友達を思いやり、将来の自分を思い描く。いつもの『ドラえもん』劇場映画とはまた違って、親子で見て、終わった後にどう感じたか語り合える作品だと思います。「お母さんも子どものころから見ていたお話だよ。ドラえもんって、やっぱり素敵な存在だね。いてくれたらうれしいけど、ドラえもんがいなくても頑張れる人になりたいね」。私は、こんな風に話したいと思いました。

 また、SF作品だと、地球滅亡といった暗い未来が描かれることが多いですが、山崎監督は「未来は明るい」と言い続けていれば、子どもたちはそれを信じて、明るい未来に突き進むかもしれないと考え、本作に登場する未来のシーンを描いたそうです。

車が空を飛ぶ夢のような未来のシーン!
車が空を飛ぶ夢のような未来のシーン!

 本作を見て、日本の3DCGの素晴らしさを実感し、海外に負けていないなと思いました。本作の映像の新しさには、作詞家の秋元康さん、トヨタ自動車社長の豊田章男さん、俳優の堺雅人さん、森ビル社長の辻慎吾さん、放送作家の小山薫堂さん、コラムニストのマツコ・デラックスさん……と、そうそうたる各界の著名人達も注目しているようです。公式サイト(http://www.doraemon-3d.com/kodomo/)にメッセージがたくさん紹介されています。

 全く新しい“ドラえもん映画”『STAND BY ME ドラえもん』は、心が躍るような映像と、『ドラえもん』ならではの何度見ても泣いてしまう感動のストーリー。ぜひ親子で楽しんでください!