1円玉と10円玉を用意します。
「この10円玉1枚を交換するとしたら、1円玉はどれだけ必要?」
と聞いて、10枚用意できれば正解とします。
大人にとっては当たり前でも、子どもにとっては十進法を理解するのが意外に難しいものです。それができたら今度は、
「ここに5円玉1枚と1円玉3枚があるよね。10円と交換するには、あと1円玉が何枚あればいい?」
あるいは、
「5円玉1枚と1円玉7枚。10円にするには、1円玉を何枚取ればいい?」
というようにして訓練していくのです。それができたら次は1円玉だけを使って、10円になる組み合わせを考えさせます。
1円玉5枚と5枚、合わせて10円です。そこから1円玉4枚と6枚、3枚と7枚、2枚と8枚、1枚と9枚といったふうに、実際に硬貨を使い、手を動かしながら数の感覚をつかませていくのです。
同じように、量の感覚をつかませるには、生活のまわりに実際あるものを利用するのもいいでしょう。
10リットルと言われたときにパッとイメージできない子には、
「いつも牛乳を飲むよね。あのパック1つが1リットルよ」
と教えます。
10センチメートルや1メートルはわかっても、100メートルや1キロメートルという大きな数字になると実感としてわからない子には、
「家から学校までが100メートルよ。それで家からスーパーまでが約1キロメートルなの」
というふうに、常に身近なものから大まかな量や大きさを想像できるようにしておくことが大切です。
そうすれば、「太郎くんの歩く速さは時速何キロメートルでしょう?」という問いに対して、「100キロメートル」と答えて平気な子どもにはなりません。
次回は「脳に効くゲーム」につてお話しします。