自由に散策した後は、スタッフの仕事も手伝う。利用者が借りた本を書棚にきちんと戻すのは、なかなか根気のいる作業。一般の人は普段は入れない保存庫へ行って、貴重な本の手入れも手伝う。
 季節や企画に合わせて壁の掲示物や装飾を作ったり、お話会や展示など企画を考えたりするのも大事な仕事だ。
 図書館は休館日でも、スタッフは様々な作業をこの間に行っているのを、ぬいぐるみ達も一緒に体験していく。そして、スタッフも来館者もいない深夜も、みんなで枕を並べながらきっと新たな物語を話し合っているに違いない。

手作りアルバムから広がる子どもの空想の世界

 こうして過ごした2週間後の週末、また持ち主の子ども達がお迎えにやってきた。大好きなぬいぐるみと会えてうれしそうだが、喜ぶのはそれだけではない。

 ぬいぐるみ達が探検した様子は、1冊の手作りアルバムにまとめられ、ぬいぐるみと一緒に一人ひとりに渡される。

 「『わー、絵本読んでもらってる!』『あ、お友達ができたんだね』と、アルバムを見ながらお子さん達がお母さんやお父さんと興奮気味に話しているのを見ていると、本当にこちらも幸せな気分をもらいます。
 アルバムは、一つ一つ手作りでスタッフで協力して作っており、これがこの企画の中で一番大変な作業ですが、渡したお子さん達の表情を見るとやってよかったと思います。お父さんやお母さんも涙ぐんで喜んでくださる方もいるんです」