こんにちは。武蔵野大学講師の舞田敏彦です。文科省は毎年、全国学力調査を実施していますが、東京都でも独自の学力調査が行われています。私は都教委に情報公開申請をして、都内の49市区別の結果を入手しました。今回は、それを開陳しようと思います。

 ついでに、同じく都が実施している体力テストのデータをもとに、各市区の子どもの体力も拝見といきましょう(こちらは都のホームページにて公開されています)。学力と体力の2つの観点から、都内49市区の子どもの能力診断を行ってみます。「自分の地域、あるいは引っ越そうと思っている地域はどの辺りに位置するか」。読者のママさん・パパさんの関心にお応えできればと思います。

 都の体力テストは公立学校の全学年を対象としていますが、学力調査のほうは公立小学校5年生と中学校2年生が対象です。東京の場合、中学校になると私立校に流れる生徒が多くなりますので、小学校5年生のデータを使うこととします。体力テストもそれに合わせます。

学力、体力とも高い「最優良型」は

 学力は、地域差の大きい算数の平均正答率で計測します。体力は、5段階の総合評価のうち、AもしくはBの好評価を得た児童の割合に着目しましょう(今回は男子のみで集計しました)。横軸に算数の平均正答率、縦軸に体力テストのA・B評価率をとった座標上に、都内の49市区を位置づけてみました。最新の2013年度のデータをもとに作図したものです。点線は、49市区の平均値を意味します。

資料:都教委『児童・生徒の学力向上を図るための調査』(2013年度)

資料:都教委『東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査』(2013年度)
資料:都教委『児童・生徒の学力向上を図るための調査』(2013年度) 資料:都教委『東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査』(2013年度)

 右上にあるのは学力・体力共に高い「優良型」であり、左下には双方とも相対的に低い「要努力型」が位置しています。右下は学力高・体力低のタイプであり、左上はその反対です。