それから2年後の2012年、第2子が誕生。しかし、このときは育児休暇を取らなかった。正確に言えば、「どうしても取りにくかったから、取らなかった」という。

 第2子妊娠が分かったのは、妻が保育士に合格し、就職活動をしようとしていたタイミングだった。そのため、当初は妻が就職するときに、井口さんが育休を取ろうと考えていたという。

男の育休「ぜいたく品」と思っていたが

 しかし、第2子誕生直後に人事部から事業企画部に異動し、上司も変わった。新しい上司は今までとは違い、「イクメン」に理解がない昔気質のタイプ。配属されたばかりの部署で、ムリに権利を主張して現場に波風を立てたくはなかった。

 また、育休中は収入が5割に減る。子どもが2人に増え、支出もさらに増える中、3カ月もの間世帯収入が半減するのは正直キツイと感じていた。「育休は、男にとっては“ぜいたく品”のようなもの。一度は経験したいことだが、基本的には生活に余裕のある時にやるべきものだ」と思っていたという。

 しかし、結論から言えば「無理やりにでも取得すればよかった」と後悔することになる。

 「下の子どもがまだ6カ月のタイミングで、妻の就職が決定。慣らし保育の期間を取ることができず、いきなりフルで預けることになったんです。そのため、新しい環境に慣れることができず、熱を出したり、ミルクを吐いたりと、毎日何らかのトラブルが起きてしまって…。私も早帰りをするなどして手分けをしたものの、妻は就職後初めの1カ月で、1年分の有休を使い切ってしまいました」