もしもトルコで女性が痴漢被害にあったり、先日の都議会での野次のように侮蔑的な言葉を浴びせられたりしたら、周りの男性が絶対に黙っていない、やった男は袋だたきにあうでしょう、と彼らは力説した。なぜなら、子孫を残す役割を担っている女性達を粗末に扱うことはあってはならないことだから。悪者を成敗することは、善行を積むことでもあるので、誰かが差別的な使いを受けていたら見て見ぬふりはしないのだと。街で困っている人がいれば、必ず誰かが手を差し伸べるという。

トルコのDUALママ事情

 トルコの自殺率の低さに注目して視察した知人によると、自殺は罪であるという意識に加えて、先述のような善行の習慣が、困っている人を孤立させない社会風土を作っているため、もしも追いつめられたときにも誰かに助けを求め、自殺しないで済む人が多いと考えられるという。

 では、働く女性はどうですか?ときいてみた。昇進や産休で苦労していませんか? すると、女性の管理職も珍しくないし、産んでも辞める人は殆どいません、とのこと。子どもはどうしているの?ときくと、親戚のネットワークがしっかりしているから必ず預かる人が見つかるし、ご近所で暇な人は預かってくれる。社内保育所の設備があるところもあると……もちろん、いい話ばかりではないだろう。例外はいくらでもあるし、働く女性が女性全体に占める割合にもよるだろう。一概に日本と他の国を比べて云々するわけにはいかないけれど、それにしても、困っている他人を放っておかないのは当たり前だという彼らの話は、印象的だった。