──これまで様々な大型家電の買い方を取り上げてきましたが、今回取り上げるのは扇風機です。人によっては「扇風機は値段以外に選び方があるの?」と思うかもしれませんね。
確かに扇風機は昔からある家電です。「100年間、顔が変わらなかった家電」と言われるくらい(笑)。しかし、この5年間で扇風機は大きな変化を遂げたのです。
──100年間変わらなかったのに、この5年で変化を遂げたのですか?
扇風機の「顔」と「風」が変わった
まず「変わらなかった顔」が変わりました。2009年に発売されたダイソンの「エアマルチプライアー」が、扇風機から羽根を無くしてしまいました。
──確かにダイソンの扇風機は顔が違いますね。
実は、エアマルチプライアーが登場した翌年にも、大きな変化があったのです。最近、空気清浄機でも知名度を上げているバルミューダが、初めての生活家電となる扇風機「GreenFan」を発表しました。このGreenFanが扇風機の「風」を変えたのです。
──「風を変えた」とは?
バルミューダは扇風機のモーターに、従来のAC(交流)モーターではなく、DC(直流)モーターを採用したのです。その結果、風が変わりました。
もちろんDCモーター自体は新しい技術ではありません。しかし、DCモーターは高価なので、本体価格が数千円という扇風機には使えなかったのです。バルミューダは製品価格が上がっても、扇風機にDCモーターを採用して風を変えたかったのです。
──実際、量販店の扇風機売り場に行くと、一台一台に「AC」「DC」という表示が付いていたりしますね。ACモーターとDCモーターでは何が違うのでしょう?
DCモーターのほうが細かな調整ができるのです。