10枚を超える羽根が優しい風を作り出す
DCモーターの扇風機は、ACモーターの扇風機に比べると、羽根の枚数が多いのです。ACの場合、羽根を多くすると、モーターの出力も上げなくてはいけないので、7枚程度が限界になります。その一方、DCモーターを搭載したバルミューダの「GreenFan Japan」は羽根が14枚、東芝の「F-DPS20」は17枚の羽根を持っています。羽根の数が多いから、これまでの扇風機とは違った、滑らかな優しい風を作り出すことができるのです。
──ただ売り場を見るとDCモーターの扇風機は価格が高いです。エアコンと併用するなら、安い扇風機でもいい気がするのですが。
それが反対なんですよ。エアコンと併用するなら、DCがお薦めです。
エアコンは「設定温度を1度上げると10%節電できる」と言われています。例えば昔の消費電力が大きかった600Wのエアコンだとしたら、1度温度を上げれば60W節電できる計算です。消費電力が40WのACの扇風機を併用すれば20W節電できる計算になります。
しかし、省エネ化が進んだ今のエアコンの消費電力は200W程度。1度上げても20Wの節電です。これに40Wの扇風機を使ったら、エアコンだけ使ったときよりも20W多く電力がかかることになります。
エアコンが省エネになったことで、併用する扇風機にも省エネモデルが求められるようになったのです。
むしろ、エアコンは使わないで扇風機だけで過ごすなら、ACモーターの扇風機でもいいかもしれません。
DUAL世帯にはDCモーター扇風機がお薦め
──併用するなら高いモデル、単独なら安価なモデル、なんですね。
とはいえ、子どもが小さなDUAL世帯にはDCをお薦めします。
併用するメリットが大きいのは寝室です。風が優しいDCモーターの扇風機なら、一晩中つけていても疲れにくい。またタイマーの調整なども細かくできるモデルが多いので、体調を崩しやすい、小さな子どもがいるDUAL世帯にはDCモーターの扇風機がお薦めです。
──なるほど、価格は少し高くてもDUAL世帯にはDCモーター扇風機がお薦めなのですね。
(解説/戸井田園子 聞き手/日経DUAL編集部 大谷真幸)
(この続きは、後編「DUAL世帯には風が優しい最新扇風機がお薦め」をお読みください)
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