DCは細かな調整ができるし、省電力

 ACモーターは細かな風量の調整がうまくできません。わかりやすく説明すると、ACモーターは常に最大の風量を出していて、風量を弱めるときは別の装置でブレーキをかける、というイメージです。だからACモーターの扇風機には「強」「中」「弱」という3段階くらいしか切り替えられないものが多いのです。一方、DCモーターの扇風機はもっと細かく調整できます。

──確かにカタログを見ると、東芝の扇風機「SIENT F-DLS1000」は「風量調節」が「連続7段階/ランダム4段階」、シャープの「PJ-D3DS」は「風量切替」が「32段階(リズム風あり)」と書いてあります。ずいぶん細かな設定ができるみたいですね。

DCモーター扇風機は風量を細かく調整できるのが特徴
DCモーター扇風機は風量を細かく調整できるのが特徴

 また、風量に比例してキチンと出力が変わるので、消費電力も小さくて済むということになるのです。ACモーターでは40Wだった消費電力が、DCモニターを採用することで最小なら3Wになる。そのくらいの差があります。

 ただACモーター扇風機の「40W」という消費電力は、他の家電と比べるとそれほど大きくはありません。ACモーターでもあまり電力を消費しないというのもDCモーターが普及しない理由でした。

 ところが東日本大震災があって、利用者がより消費電力をシビアに考えるようになりました。その結果、バルミューダのGreenFanは大人気になりました。それ以降、大手家電メーカーからもDCモーターを搭載したモデルが登場しています。

──DCモーターを搭載した扇風機が起こす「風」は、従来の扇風機の「風」とどう違うのでしょうか?