グループごとに、まずは参加者がワークシートに取り組み、「野次問題を知ったときの感情」「その感情を抱いた理由の分析」「変えていきたいこととそのために必要な戦略」「その戦略を実現するために行動に移すべき“次のステップ”」の4項目について、各自の意見を記入。その後、ワークシートの内容をもとに、5~6人程度の班ごとに意見交換が行われ、各班でまとめた“次のステップ”のアイデアがホワイトボードに次々と張り出されていった。

「9万人のクリック、その先は?」のワークショップ。第2部では参加者が4つのグループに分かれ、話し合った
「9万人のクリック、その先は?」のワークショップ。第2部では参加者が4つのグループに分かれ、話し合った

 さまざまなアイデアが発表され、なかでも「今回9万人の署名を集めた署名サイトのように、市民が意見表明できる場を周知させる」「問題発言をした議員にはインターネットを利用して辞職を要求していく」「マスメディアを動かすためにソーシャルメディアを有効活用する」「女性たちに声を上げてもよいという教育をしていく」といった、市民一人ひとりが声を上げることを重視する意見が多く見られた。

 また、「女性議員を増やすためにクオータ(割り当て)制を導入する」「メディアの性差別表現に是正を命じる機関をつくる」といった、政治やメディアに関する制度の改革を求める声のほか、「性差別に厳格な海外メディアの圧力を利用する」「男女平等の意識が浸透している海外の状況と比較しながら論じていく」など、日本国内のみで解決しようとせず、「海外ではどうか」という視点を持つべきだとする声も上がった。

議論から生まれたアイデアがホワイトボードに次々と張り出されていった
議論から生まれたアイデアがホワイトボードに次々と張り出されていった

 グループごとのアイデアが発表されると、最後にChange.org日本代表のハリス鈴木絵美さんが「ここで終わらせてはいけない。たった一人の呼びかけから9万人の署名が集まったように、今は一人でもアクションを起こせる時代。この部屋を一歩出たときから、一人ひとりが行動を」と呼びかけて、約2時間30分に及んだワークショップは閉会となった。

わが子に“男だから”“女だから”にしばられない生き方を伝える

 第二部で筆者が立ち会った「男性を巻き込もう」のグループでは、「幼少期から家庭でもジェンダーにとらわれない考え方や人権意識を学べる機会をつくる」、「女性vs.男性という構図をなくし、相手の立場を理解したうえで自分の意思表示もしていく」といった意見が複数の班から出された。