今回アクションを起こした女性官僚有志たちが出会ったのは、人事院主催の女性課長補佐クラスを対象にとした女性管理職養成研修だった。省庁の壁を越えて横断的にこういった研修が実施されたのは初めてだったという。長時間労働、子育てと仕事の両立、キャリア形成…、他の省庁の女性職員も同じ悩みを抱えていることを知った河村さんたち有志は動き始めた。

 勤務時間外の時間を活用して、調査やヒアリングを実施、どのようにすれば、働き方を変えていくことができるかを意見交換。具体的に実現するための、提言作りに取りかかった。

国会議員にも質問内容の通告の前倒しを要請

 先に述べた国会の質問通告の問題では、小渕優子元少子化担当相とともに自民党の佐藤勉国会対策委員長と会い、質問内容通告を前々日の18時に前倒しするように依頼した。1日前倒しにして、前々日18時までの通告になると、前日12時までに担当を割り降り、前日18時半までに資料の作成や印刷も含めた答弁が完成するという。

 これを受けて佐藤国対委員長は、自民党議員に前倒しを呼びかけを実施。少しずつではあるが、前倒しに協力してくれる議員も出てきたという。

 さらに6月26日には加藤勝信内閣人事局長に、働き方改革実行に向けた提言を手渡した。提言の内容は、改革のためのPDCA体制確立、霞が関的価値観の変革、人事評価軸の転換、管理職研修の実施、テレワークの活用、子育て女性に対する雇用管理など10項目(以下を参照)。

 すでに財務省など一部の省庁ではテレワークの導入、在宅業務の導入も始まっていたが、さらに各省庁で広がる気配も見え始めている。

「霞が関で働く女性有志」が作成した資料をもとに日経DUAL編集部で再構成
「霞が関で働く女性有志」が作成した資料をもとに日経DUAL編集部で再構成