団塊世代の退職により、8年間で社員数が3分の1になる会社も
「女性の部下に活躍してほしい」というのは、多くの管理職の方が考えていることでしょう。ところが、社内のメンバーの間では、「女性の活躍と言われてもよく分からない」「なぜ今、女性の活躍が必要なのか」と、「女性の活躍」について理解が進んでいないケースも多いのではないでしょうか。
「女性はすぐに泣くから、ちょっとニガテ」「実力はあるのに、自分からリーダーシップを取れる女性は少ない」などという声もよく聞かれます。
チームの理解がそろわないと、女性の活躍はうまく進みません。「なぜ今女性の活躍が必要か」を理解し、メンバーに伝え、チーム全員が共通の認識を持てるようにするのが、この課題を解決する第一歩です。
では、ここで日本の現状を見てみましょう。2007年から始まったのが、団塊世代の定年退職という動きです。大規模な人数の一斉退職により、様々な影響が出ています。
例えば、大手化学メーカーのM社では、定年退職により、あと5年で社員数が半分になることが明らかになっています。通信大手のN社では、あと8年で社員数が3分の1に減少します。N社の場合は、毎年3000人が定年退職をしているなか、新規採用者数は90人にとどまっているのが現状です。
このように定年退職者と新規採用者の人数がマッチしないのは、2008年のリーマンショックの影響が大きいと言えます。多くの企業ではリストラで乗り切りましたが、リストラをせずに新規採用者数を控えることで社員の人数を減らした企業もありました。
ただ、たとえ社員数が減っても、仕事のやりかたを変えたり、仕事内容を精査したりしない企業が非常に多いのです。その結果、中堅社員の仕事が急増し、この5年間で増えたのが、うつ病や過労死です。実は2013年に、日本は国連から「長時間労働などが原因の過労死や自殺が増えているのは先進国で日本だけ。何らかの対策を講じるように」という勧告を受けています。月に60時間以上残業をする割合が、世界で最も多いのが日本だとも言われているのです。