子どもの権利を保護するための予防的な対策を充実

 3)の「健全な未来世代の育成」については、子どもの権利モニタリングセンターを設置し、子どもの権利が守られているかをチェックする機関として活用しています。2006年には、子どもの権利オンブズパーソンが子どもの権利侵害について監視・調査し、子ども施策の問題点を指摘、改善しています。こういったチェック機関は、ほかの国でも、ほとんど設置されています。

 また、韓国では「子どもにやさしいまち(CFC=Child Friendly Cities)」を認定する機関を設けています。CFCとは、まちのなかを子どもだけで安心して歩く権利、友達と会い、遊ぶ権利、草木や動物のための緑の空間を持つ権利など、まちづくりを通じて子どもの権利を促進しようという世界的な動きです。日本では、一部の自治体では行われていますが、まだ国レベルでは設置の検討すら始まっていません。

 韓国では、このほか、放課後学校自由受講券を配布したり、多文化家庭支援センターを設置したり、児童関連施設における性犯罪者の就業制限をかけるなど、健全な環境で子どもを育てるための施策に積極的に取り組んでいます。しかしこういったことは、世界的には当たり前のことですが、日本ではほとんど行われておりません。