子育て奮闘中のパパライターが、「学童についての素朴な疑問」をフットワーク軽く探っていくこの連載。前回の「学童希望者が全員入れる世田谷区新BOP」に続く第4回目は、世田谷区の新BOPを実際に取材してきました。子どもたちに毎日通っている小学校で自由に遊ぶ「全児童対策事業」と学童の一体化、現場はどのようになっているのでしょうか。

世田谷区の中規模小学校の学童クラブへ

新BOP室が併設された小学校の正門
新BOP室が併設された小学校の正門

 今回取材したのは、世田谷区内の私鉄沿線にある駅から、こぢんまりとした商店街を抜けた先にある住宅街にある小学校。残念ながら、学校名は明かすことはできないが、100年以上の歴史と伝統のある小学校だ。

 4年前にモダンな造りの校舎に建て替えられており、校舎は区内でも比較的新しい。児童数は増加傾向にあり、2012年度は539人だったのが、2014年度には600人台に。今まで1学年3クラスだったのが、今年度の新1年生は4クラスに増えている。区内では中規模の小学校といえそうだ。

小学校正門から校舎伝いに一番奥まで進むと、1階建ての新BOP室がある
小学校正門から校舎伝いに一番奥まで進むと、1階建ての新BOP室がある

新BOP室の入り口
新BOP室の入り口

 この小学校で新BOPが導入されたのは、01年度。世田谷区で新BOPの導入が順次開始されたのは99年度からなので、比較的、早くから新BOPが導入された小学校ということになる。 

 まずは改めて簡単に世田谷区の「新BOP」に関しておさらいしておこう。BOP(ボップ)とはBase Of Playingの略で、訳すと「遊びの基地」。子どもたちがのびのびと遊べる広場の役割を果たすための全児童を対象とした事業で、その小学校に通う児童なら希望すれば誰でも参加することができる。これに、従来の留守家庭の子どもたちが参加することのできる学童クラブを統合したものが「新BOP事業なのだ」。

 この小学校では今年度5月1日現在、新BOPの登録者数は420人。そのうち、学童クラブに登録している児童の数は75人となっている。そのうち、だいたい、1日平均で60人以上が学童クラブに出席。職員によると、「区内の学童クラブのなかでも出席率はいいほう」だという。

 この新BOPの平日の職員の配置は、だいたい7名ほど。小学校の校長経験のある事務局長をはじめ、保育士と教員の資格を持つ児童指導職員1名のほか、有資格者の非常勤の新BOP指導員が4~5名、さらにアルバイトのプレイングパートナーが2~3名配置され、子どもたちを見守っている。