ダイバーシティとワークライフバランスとテレワーク

 私は、転勤族の夫に付いていき、3人の娘を育てながらも、働き続けるために、テレワークという働き方を選んだ。当時は、「在宅勤務」という選択肢は無く、会社を退職し、自営で在宅で働くしかなかった。自由に働ける分、仕事を得るのは本当に大変だった。

 企業に「在宅勤務」制度を導入すれば、多くの働く女性が会社を辞めなくてすむかもしれない。

 その思いで、企業に在宅勤務を導入するコンサルティング会社を作った。企業の経営者を訪問し、「テレワーク」の必要性を訴えている。そんな中、ある男性経営者からこう言われた。

 「田澤さん、ダイバーシティとか、ワークライフバランスとか、テレワークとか、カタカナ言葉がたくさんあってよくわからないよ」

 また、最近は「ダイバーシティ部」「ワークライフバランス推進室」といった部門を設置する企業が増えている。「テレワーク」の話をすると、うちはもう専門部門があるから「テレワーク」はいらないよ、と言われたこともあった。

 そこで、自分なりに、この3つの言葉を整理してみた。

 ワークライフバランスは、「仕事と生活の調和」。つまり、人の生き方、社員の生き方です。ダイバーシティは、「多様性」。さまざまな人が活躍できる社会のあり方、企業のあり方です。テレワークは、これらを実現するための働き方です。

 この説明も、みなさんが通勤時間を家族の時間に変えるための、武器の1つに加えていただけると幸いだ。

●テレワーク(在宅勤務)についてもっとくわしく知りたい人は……

『在宅勤務が会社を救う: 社員が元気に働く企業の新戦略』
田澤由利著/東洋経済

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(構成/始関 恵)