弊社には、在宅勤務で働くママが3人いる。だからといって、限られた仕事をしているわけではない。1人は小学生の娘2人を育てつつ、営業マネージャーをしている。2人目の育児休業から復帰し、コンサルティング業務に携わる者もいる。セミナーの企画担当者は、お腹に2人目がいる。また、出社している社員でも、子どもの行事や病気の時には在宅勤務をする。在宅勤務でも、全員、しっかり働いてくれている。

 朝9時、自宅のパソコンの前に座る。パソコン画面の「着席」ボタンを押して、仕事が始まる。バーチャルオフィスの部屋を眺めると、上司や仲間の様子がわかる。「今日は〇〇さん、直行だったな」「9時半から週礼に出なくちゃ」「急ぎ案件確認のため、社長を捕まえよう」。突然、上司から呼び出されることもある。ミーティングが3件入っている日もある。

図1 パソコン画面でバーチャルオフィスの部屋を眺めると、上司や仲間の様子がわかる
図1 パソコン画面でバーチャルオフィスの部屋を眺めると、上司や仲間の様子がわかる

 在宅勤務だからといって、会社に出勤しているのとそれほど変わらない。しかし、1日の仕事を終えて「退席」ボタンを押した瞬間に、帰宅。通勤時間は「0」。30分後には、保育園に迎えに行った子どもと一緒に、夕飯の支度をしている。

今こそ、会社に「在宅勤務」を入れてもらうチャンス

 「在宅勤務ができるのは、ごく一部。私たちはできないから、大変な思いをしている」という声が聞こえてきそうだ。

 どんなに在宅勤務がしたいと思っても、会社に制度がないとできない。仕事を持ち帰ると、サービス在宅残業になるばかりか、バレるとお咎めがある。

 また、「うちの会社は、在宅でできる仕事がほとんどない」、社長は「会社に来るのが当たり前」と思っている、と最初からあきらめてしまっていないだろうか。

 もし「たとえ週1日でも在宅で仕事ができ、その日の通勤時間を家族との時間にあてたい」と思うならば、今がチャンスだ。