長時間残業をやめ、働き方の見直しをしよう! そこで大きな鍵を握るのが「イクボス」だ。
イクボスをテーマにしたパネルディスカッションに登壇したのは、都道府県知事では初めて育児休暇を取得したイクメン知事として知られる広島県知事の湯﨑英彦さん、子どもの誕生を機にモーレツ企業戦士から独立起業した絵本ナビ社長の金柿秀幸さん、日経DUAL羽生編集長の3人。コーディネーターは、日経DUALのコラム「イクボス養成講座」でもおなじみの安藤哲也さんが務めた。
冒頭では、女性活力・子育て支援担当大臣の森まさこ氏から応援ビデオメッセージが届いた。
「先日発表した男女共同参画白書において初めて男性に焦点を当てた分析をしましたが、依然として男性の労働時間は長く、特に、家事・育児の時間がゼロだという男性は7割もいます。
私は、イクメンになりたいという男性の希望をかなえたいと思います。そのためには企業のトップや管理職の意識が変わることが必要不可欠です。
企業経営者などを集めた『男性リーダーの会』では、女性の積極登用や男性リーダーのネットワークを広げるなどの行動宣言を発表していただいたばかり。トップリーダーのみなさんにはぜひ、イクメン部下を育てるイクボスになってもらいたいと思います」
続くパネルディスカッションでは、自治体、企業、メディアとして、それぞれが抱える課題と取り組みを紹介しなら、熱く議論を交わした。
組織のOSを入れ替えて働き方を根本から改革、増収の結果もついてきた
金柿さんは、社員4500人の大企業から独立し、絵本ナビを1人で立ち上げ、現在は社員30人まで成長。創業当時は忙しく、会社に寝泊まりすることもあったが、「結局、働き方が変わってなくて家庭を犠牲にしていることに気づいたんです。そこで組織自体を大きく変えました」
「まずは、私が一週間のうち(土日も含めて)、5日間は家族と夕食を食べると決めました。うまく業務が回るように、締め切りから逆算した前倒しスケジュール、社内での情報共有、ITでクラウドとモバイルを最大限使って会議の時間の縮小に徹底的に取り組みました。24時間企業戦士か時短でアシスタント業務かの二者択一ではなく、どんな立場の人でも仕事を効率的に行い、『ハードワーク、でも子どものためなら休める会社』を会社のビジョンに掲げ、組織のOSを入れ替えたんです」
その結果、絵本ナビは14期連続増収という実績を上げた。