効率のいい働き方ができる職場にするために、「まずは職場でライフの情報をもっと共有してもいいのでは?」と日経DUALの羽生編集長が提案。

 「子どもがいると、病気の子どもの世話やPTAなどの保護者会…と仕事とは別の予定も増える。そんなときに職場のチームメンバーに『取引先直帰』などと嘘をつくのは良くないし、子どもがいる人生を否定しているのと同じでそんな働き方は続かない。ボス自らライフの予定を職場で共有すれば、部下もそれに続きます。

 ボスはさらに上の上司に、部下達の活躍と実績やプランを明確にして伝えることも重要。時間に制約がある部下を持っていても、高い生産性と実績を示すことができれば、意思決定層の顔色が変わっていくはずです」。

フォーラム会場には若い女性達の姿も
フォーラム会場には若い女性達の姿も

どうしたらイクボスは増えていくのか

 部下のモチベーションを上げ、効率のいい働き方で実績を上げるような組織マネジメントができるイクボスはどうしたら増えるのか。

 「イクメンや子育て社員を支援するために一部を修正する表面的な方向転換では、組織は変われない。ボスは、社員のために何かをやるのではなく、持続的に高い成果を上げていくための経営戦略として根本から変える覚悟を持ってほしいですね。

 この変化の激しい時代に、仕事でパソコンに向かうことだけやっていたら、いい仕事はできません。皿洗いしながら仕事のアイデアをひらめくことも多い。現役のパパやママには、子どもとたくさん遊んだり、PTAに関わってみたり、そういう活動を通して仕事のクオリティーを上げてもらいたいです」(金柿さん)

 「人事の評価軸に、イクボス的視点を加えるのも一つの手。今はイクボスになりたがっている管理職も増えてきました。新入社員に向けたある調査でも、今や7割以上が共働きしたいと思っています。そんな若くて優秀な人材のマインドをイクボスならグリップできるはずですから」(羽生)