「お受験以前に友達との遊びや日々の生活習慣、いろんな体験を通して、この多感な時期に大事にすべきことがあると思っています。子どもたちに良いことならなんでも機会をあげたいと思って、日々保育に取り組んでいます。多少友達とケンカしたり、走り回ったりしても、そこから友達と触れ合って自分たちでちゃんと解決していける力がつくことが大事だと思います」

 クラスは、4クラス。生後45日からのベビークラス、1歳8カ月くらいからのプチクラス、3歳からのジュニアクラス、4歳からのキンダークラスだ。単純に年齢で区切らず、異年齢保育も日常的に行っている。各クラス間の進級はそれぞれの子どもの成長に合わせて柔軟に行うため、ベビーやプチクラスでは年に2、3回進級のタイミングを作っているという。

お受験対策の個別指導クラス。静かな個室で集中して行えるようになっている
お受験対策の個別指導クラス。静かな個室で集中して行えるようになっている

全員参加or 選択制? 選べるカリキュラム約20種類!

 しかし、驚くのは、この園でできる習い事や幼児教室など種類の多さ。ベビークラスから楽器の生演奏を月に1回聞く機会や、1歳から積み木クラス、音楽教室クラスのオプションがあるものの、実際にお受験を意識したプログラムが始まるのは、ジュニアクラスから。

 これらはカリキュラムと呼ばれ、保育料に含まれて全員受講できる「課内カリキュラム」と選択制で別途料金がかかる「オプションカリキュラム」がある。オプションカリキュラムを選んだ場合は、保育の時間中に別室でそれぞれのレッスンを受けることができるので、保護者は特に送迎など一切必要がない。

 課内カリキュラムは、体操やリトミック、習字、ダンス、手話やお茶など。月に一回教会から訪問してくれる神父の話を聞く日もある。

壁には、カリキュラムで取り組んだ習字が張られていた。一人ひとりが先生からコメントをもらえることも子どもにはやりがいがあるという
壁には、カリキュラムで取り組んだ習字が張られていた。一人ひとりが先生からコメントをもらえることも子どもにはやりがいがあるという

 「保育園開園当初には、私には子どもはいませんでした。でも、それが逆に良かったのか、既存の保育園の固定概念にとらわれることなく、子どもにいいだろうと思ったことはいろいろなことにチャレンジできました。純粋に子どもにいいだろうと最初に在園中の課内カリキュラムとして、空手やリトミック、絵画を取り入れてみたんです。それが評判が良くて、カリキュラムが増えていきました」

 恵比寿という場所柄もあり、保護者は近隣地域の外資系企業で働いていたり、自分で会社を経営していたり多忙で、日々のスケジュールに変動の多い人が多い。そのため、認可のように利用条件のない認可外保育園であるこの園への希望者が多かったが、教育熱の高い保護者も多かったという。