子供のアレルギーシリーズ第2弾は「小児ぜんそく」。文字通り、子ども(15歳まで)がかかるぜんそくです。アレルゲンが原因となって気道が炎症を起こすことで、呼吸困難やせき、ひゅーひゅーぜーぜーという胸の音がする病気です。症状のレベルを診断し、長期管理薬で適切な治療を行えば、ぜんそくをコントロールすることは可能です。

 子どもにも働く親にも、ストレスにならないためのぜんそくとの付き合い方を、自身もぜんそくのお子さんをお持ちの、東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科の勝沼俊雄医師にお聞きしました。

Q. ぜんそくとはどういうものですか?

A. 「気道過敏性」があり、せき、喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難を繰り返すこと

 ぜんそくの人は症状がないときでも慢性的に気道が炎症を起こしています。炎症によって気道の過敏性が高まっているため、ちょっとの刺激でも過剰な反応が起きます。例えば、風邪を引いたとき、普通は鼻水、せき、微熱ぐらいで済むところが、ぜんそくの人は強いせきが出て、呼吸困難や「ひゅーひゅー、ぜーぜー」といった喘鳴(ぜんめい)が起きます。炎症で狭くなった気道を空気が通ると、笛と同じ原理で音が鳴ります。痰などの分泌液がなければ「ひゅーひゅー」、痰が絡むと「ぜーぜー」という音に。ぜんそくになる人の7〜8割が、3歳までに発症すると言われています。

Q. 何が原因ですか?

A. アレルギー体質+環境因子で発症・悪化します

 ぜんそくになる人はもともとアレルギー体質です。ダニやほこり・カビなどのアレルゲンや、風邪・運動・気候の変化などが作用することで発症・悪化します。最も多いのが、鼻風邪との関係です。詳しいメカニズムは解明されていませんが、春・梅雨時・秋にぜんそくが増える原因として鼻風邪との因果関係が指摘されています。

Q. ぜんそくと風邪のせきとの違いは?

A. 「明け方のせき」がぜんそくの大きな特徴です

 最も重要な判断基準が「明け方にせきが強まるかどうか」です。また、気道が刺激を受けたときにせき込むのも特徴です。具体的には、運動をした後、スーパーなどに行って冷たい空気を吸ったとき、布団の上で暴れてほこりを吸ったとき、花火の煙を吸ったときなど。胸の音が「ひゅーひゅー、ぜーぜー」と聞こえるのも特徴です。