ダニやほこり、カビなどの室内のアレルゲンを定期的に除去すると、ぜんそくの症状が劇的に改善します。
最も効果的なのは布団のダニ対策。忙しい共働き家庭で頻繁に布団のダニを吸うのは大変だと思いますが、週に1回で十分です。掃除機のヘッドを布団に当て、50cmの距離を少なくとも20秒間かけて吸います。布団1枚の所要時間は約5分。ぜんそくのお子さんと同室の人の布団はすべて行います。
掃除のときには、お子さんは他の部屋にいてもらいましょう。夫婦で分担すればすぐに終わりますよ。素材でアレルゲンをガードする防ダニ布団やカバーも併せて使えばさらに効果的です。
日本の家屋のほこり1g当たりの平均的なダニの抗原量が20μg(マイクログラム)で、週1回の掃除で10分の1に減ります。10μg以下で発作が起きず、2μg以下だとアレルギー症状が起きないと言われているので掃除の効果は絶大です。ぜんそくはもちろん、アレルギー性鼻炎も改善されたという患者さんが大勢います。
「ぜんそくには水泳がいい」と言われますが、運動でぜんそくが治ることはありません。ですが、ぜんそくでも運動をすることはできますし、適度な運動は呼吸機能も高めてくれます。症状のレベルを適正に評価し、それに合った治療を行えば、園や学校の運動を制限する必要はありません。ただし、プールの塩素が濃かったり、競技のレベルが上がったりすると悪化することもあります。
症状がなくても気道に過敏性が残っていると季節の変わり目に症状が悪化することがあります。自己判断で薬をやめたり、量を減らしたりせず、医師とよく相談しましょう。
せきが出ず、「ひゅーひゅー、ぜーぜー」と胸の音がしない、呼吸機能検査をクリア、気管支に炎症がないと認められて初めてぜんそくの治癒となります。
ですが、3歳ぐらいまでに良くなるケースでも思春期になると4分の1が再発、6歳でぜんそくに罹患している人は思春期になっても半数が患っているというデータがあります。妊娠や出産、喫煙などが影響して大人になってから再発するケースも多く、再発時のほうが症状が重いです。2、3年症状がなくても油断をせず、アレルゲンを遠ざける努力は続けましょう。
低気圧が近づくとぜんそくの患者さんは増えますが、因果関係ははっきりしていません。気圧の変化という単一の理由ではなく、低気圧が近づくことでの湿度の変化や感染症、カビやほこりが関与しているのかもしれません。また、鼻風邪が増える春と秋は患者さんが増えますし、梅雨時にも軽いピークがあります。
(ライター/中島夕子)