カンボジアの友人の死をきっかけにジョイセフへ
藤村 ジョイセフに入ったのは20代後半とのことですが、NGO団体へと転職するきっかけは、何だったのでしょうか?
小野さん(以下、敬称略) 大学院2年目からジェンダーフォーラムという他大学の研究所で働くようになり、卒業後しばらくは大学で教授補佐のような仕事をしていました。
あるとき、旅行で行ったカンボジアのプノンペンで同世代の女の子と仲良くなったんです。「来年また来るね」なんて口約束をして、約1年半後に再び訪ねたら……、彼女は亡くなっていたんです。まだ20代前半でした。
「なぜ、彼女は亡くなったの? 事故? 病気?」と聞く私に対して、カンボジアの人達は「出産で亡くなった」と答えるだけ。日本で育った私には、「出産=死」というイメージが全くなくて、「出産時の事故か? 病気が原因か?」と質問ばかりしていました。すると、ある女性が言ったんです。「私の妹も、3人目の出産で亡くなっているの。カンボジアでは、出産時に女性が亡くなることはよくあることなのよ」と……。
ジョイセフ・広報チーフ、小野美智代さん
小野 そのあと、日本に帰って来て色々な資料を調べました。当時のカンボジアの女性の平均寿命は38歳で、男性が40歳。日本の半分という数字に驚き、しかも「男性の方が女性よりも長いの?」と疑問に思ったのを覚えています。アフガニスタンに至っては、女性の平均寿命は27歳。あれから10年が経つ今は、一番低い国でも40代後半くらいにはなっていますが、当時はそれだけ低かったんです。
そして、途上国での出産について調べているうちに、今勤務しているジョイセフが発行している資料に辿り着きました。途上国の妊産婦を支援している団体が日本にもあるんだ……って驚きました。当時のジョイセフは国内向けに積極的な広報をしていなかったので、ほとんど知られていなかったと思います。その後、中途採用の募集広告を見て、応募して今に至ります。
次ページから読める内容
- 産休に入る時点では、復帰する自信がなかった
- 同級生の夫と選択した「事実婚」
- 復帰後の新幹線通勤は、苦悩の日々からスタート
- メリットは“自然環境”と“おひとりさま時間”
- 祖父母に「家に来てもらう」ことで、娘の日常を維持
- 夫婦での家事分担は夫が8割!?
- 幼い頃の想いが、世界の女性支援に繋がった
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