親子で共通体験ができる遊び場でありたい

――それでキドキドをスタートされたんですか。

村上 2000年代に入って、あるショッピングモールから「大きなスペースが空いたから室内遊び場にしたいので協力してほしい」という話がありました。早速そこで多くの大型遊具を置き多様な遊びをそろえて、子どもたちがめいいっぱい遊べる室内遊び場を02年にオープンしました。そして、その運営経験を足がかりに新たに「キドキド」をオープンし、現在は全国で20店舗に広がっています。

――室内遊び場はキドキド以前にもあったかと思いますが、キドキドが他と違う点は何でしょうか。

村上 キドキドは「親子で遊ぶことを前提に作られている」、また「子どもが自発的に遊ぶ」のがポイントです。

 子どもだけで遊んで、親は外で見ている室内遊び場というのはあると思いますが、キドキドでは親も一緒になって遊んでほしいと私たちは考えています。親が体を動かして遊ばないと、子どもは遊びを覚えません。

 また、子どもが遊びの中で何かを作ったとき、成功したとき、「見て!」と振り返った瞬間に親が見てあげることが、子どもにとって大きな自信や自尊心につながります。子どもにとってはその瞬間が大事なんですよね。ですからキドキドでは、親が座るソファも遊び場の近くに置き、なるべく子どもの遊ぶ姿が見られるように設計しています。

 そうした親子間の共通体験や信頼関係作りの場所として機能していることが、キドキドの大きな特徴です。

大人と子どもが共に遊べるスペースになっているのがキドキドの強みだ
大人と子どもが共に遊べるスペースになっているのがキドキドの強みだ

――確かにキドキドは大人もはしゃいでしまう遊具がありますよね、トランポリンとか(笑)。

村上 大人も自然と体が動いて遊べば、子どもだって楽しいんです。

 利用する親御さんがよく話してくれるのは、「家では『ダメダメ』と言うばかりだけど、ココならば安心して、子どもに大声を出してもらい、また走り回らせてあげられる。すごく助かった」という言葉や、「1人で子どもを見ていて孤独だったけど、ココでは異年齢の交流や集団での遊び体験もできるし、親としても一緒に子どもを見守っている気持ちになれる」という言葉です。

子どもの運動能力向上につながる多様な動作が、自然と生まれる

――そういえば、キドキドにいるスタッフは、あまり子どもの遊びを仕切るようなことをしないですよね。