食物アレルギーの原因を探る検査は、一般的には皮膚テストと血液検査で、何歳でも検査可能です。皮膚テストは、抗原を含んだ液を前腕部に垂らし、針で軽く刺激して15分後に反応を見るもので、複数の物質を同時に検査することが可能です。
血液検査はIgEという物質の量を調べることでアレルギーの有無やレベルを数値化します。多くの医療機関で行われているのは血液検査です。いずれも月齢や年齢に関わらず、赤ちゃんでも受けることができます。
血液検査のIgEの数値によって、0~6の7段階にレベル分けされます。スコアが高いほど抗体がたくさんあることを示します。スコア6ならアレルギー症状が出る確率が高いと言えますが、数値と症状は必ずしも一致しません。除去が必要かどうかの判断には、食物負荷試験が必要になります。
食物アレルギーの多くは、年齢とともに食べられるようになるので、原因食物を「除去」して、食べられるようになるのを待ちます。10年前までは「完全除去」が主流でしたが、最近では、食べられる量は食べていく方針に変わってきました。
かつて「完全除去」を続けたものの、6歳になっても治らなかったお子さんは、その後、自然経過で食べられるようになることは少なく、医師は何もすることができませんでした。そこで登場したのが経口免疫療法です。食物負荷試験で陽性判定を確認した上で、決められた量を毎日食べ続けていくと、数年で食べられるようになる可能性を秘めています。
牛乳アレルギーの子が、いきなり200ccを飲めば症状が出るのは当然ですが、3ccだったら飲める子は結構います。今は食べられるものは食べていく方法をとったほうが、完全除去を続けたお子さんよりも早い段階で食べられる状況になると考えられてきています。
しかし、こうした治療は食物アレルギーに精通した医師の元で行われるべきで、「様子を見ながら少しずつ食べてみて」といった指導で実施することは大変危険です。
保険診療となった食物負荷試験。専門医を探して
最も確実で標準的な検査が食物負荷試験です。アレルギーの原因と疑われる食品を食べて、症状の出現を観察する検査で、平成18年から保険診療となりました。
アナフィラキシーのリスクがあるため、「一定の条件を満たした専門研究施設でのみ行われるのが望ましい」とされています。
牛乳なら3cc、24 cc、200 ccです。3ccの負荷試験の場合なら、まず3ccの1/8を飲んで30分経過観察、症状が出なければさらに3/8を飲み、30分後に4/8を飲みます。すぐに症状が出るとは限らないので、その後3時間様子をみます。
施設によって異なりますが、検査はだいたい3~4時間かかります。外来でもできますが、入院して行う場合もあります。