私は得意なイベント係と運転係を担当

 ママを12年やってきましたが、ママだってオールマイティじゃない。得意なことも、不得意なこともある。それは、他のママだって同じじゃないかな。だから、困っていること、できないことは、お互いに補い合っていけばいいなと思います。

 私は何ができるわけじゃないけれど、子ども達を楽しませることは得意。だから、主にイベント係を買って出ます。年末には家で餅つきを企画した時は、子ども用の臼と杵を買って、ママ達と「餅米ってどうやって炊くんだろうね」とか言いながら準備して。雪が降ると鎌倉を作って中でお餅を焼いたり、夏になると、ホタルを見に行ったり。

 どこかに出かける時は、運転係を担当。本当は運転なんて全然好きじゃないんですが、電車に乗って、他の方に迷惑にならないように「静かにしなさーい!」と気を使いながら行くよりは車のほうがずっとずっと楽。だから、愛車のワゴンのタイヤをスタッドレスに換えて、新潟までスキーに行ったりもしました。

 ママ友がいると日常生活も心強いけれど、それだけじゃない。子どもたちにいろんな体験をさせてあげられることにもつながると思うんです。

 私は東京生まれ東京育ちで、小さい頃、どこかに出掛けて、自然を満喫した体験や記憶があまりなくて。だから、子ども達にはいろいろ経験させてあげたかった。でもそれって、ひと家族だと思うようにできないこともあります。特にうちは、夫の岸谷が仕事で留守がち。私が一人で連れて行っても、できることも限られる。

 だから、ママ友の力が頼もしかった。親は親で、仕事で体は疲れていても、気持ちがリフレッシュできる。子ども達と一緒だと親も初めての経験ができて、それは親の仕事とか人生にとって、すごく貴重なこと。

 とはいえ、気の合うママ友ができるかどうかって、不安だし心配ですよね。私がママ友との付き合いで心がけているのは、「子どもの友達のお母さん」として見るのではなく、「私が女同士で好きになれるかどうか」。たまには「子どもなしで飲みに行こうよ」って言えるような関係が築けるような。これからも、子ども達と一緒に、友達作りを楽しんでいきたいって思っています。

(ライター/松田亜子、撮影/白井裕介)