イクボスは、社員の「自己肯定感」をプレゼントする

<(自分または妻が)育休復帰後に上司に言われてうれしかった言葉>

「あなたの頑張りを後輩達は見ています。同じように仕事を続けようと言っています」。職場で初めての産休取得だったので、不安がいっぱいでしたが、この言葉を聞いて、後輩のためにも頑張ろうと、勇気が湧いてきました。
(34歳女性、製造、研究・開発)

子育て中のメンバーに“自己肯定感”をプレゼントする、見本のような言葉ですね。誰でも「自分は職場にとってプラスの存在になれる」という展望があれば、モチベーションは高まりますよね。

 欲を言えば、「後輩達の手本になってほしい」というプレッシャーにもなりかねないので、「仕事も育児もしやすい職場環境を一緒に作っていきましょう」といった言葉を添えるとさらにナイス!

「おかえり」と、夏休みの後のようにさらっと受け入れてくれた。
34歳女性、通信サービス、情報処理・情報システム

→特別なことではなく、自然なことだと捉える上司の姿勢がエールになったということですね。僕だったら、もう一言、「お母さんになって、さらにいい顔になったね」など、出産育児経験による成長を見てとったという感想を付け加えます。

妻の出産に立ち会い、休み明けに出社をしたら、職場の皆様が拍手喝采で迎えてくれ、思わず涙が出そうになりました。
(41歳男性、食品・医薬・化粧品、企画・マーケティング)

→「みんなで拍手で迎えよう!」と音頭を取ったのが上司だったのでしょうね。きっとここの会社はお祭り的なカルチャーがあるのかもしれませんが、「拍手喝采」はやや過剰な印象。だって、誰もが経験し得ることですし、上司がハイタッチで迎えるくらいでもう少し自然に受け入れてもいいかもしれません。

 加えて、「今、奥さんとお子さんはどこにいるの?」と実際の生活について聞いてあげる。「しばらくは実家に帰っています」と「退院してうちにいます」では、パパの育児にかけるべきエネルギー(裏を返せば、仕事にどれくらいエネルギーを費やせるか)が全く違いますから。家庭全体での育児の状況をヒアリングすることで、適切な業務が割り振れるというわけですね。

育休中にフロア移転し、PCも新しくなり、一部社内システムが変わっていたため、復帰直後は毎日が環境整備で、1週間経っても普通に仕事ができる状況ではありませんでした。そんな時に、上司が「最初の1週間や10日間は仕事にならないと最初から思っていたので、大丈夫ですよ」と言ってくれて、気持ちが楽になりました。
(43歳女性、情報処理、情報処理)

→この上司、復帰後1週間経って焦ってから「最初から思っていたから大丈夫」ではなくて、産休に入る前に「こんな状況になるかもしれないけど、フォローするから安心してね」など言ってあげればよかったのに。そうすれば、もっと気持ちにゆとりを持って復帰できたのに。…と、思うのは僕だけでしょうか。

上司である課長から「育児、大変だろ? 参考にして」と言われ、育児本を手渡された。上司の奥さんが出版社にお勤めだったのでプレゼントしてもらったようだったが、非常にうれしかった。
(41歳男性、ソフトウエア、配送・物流)

男性上司から男性部下に、というのが美しい話。パパの子育ても職場の中で伝承されるといいですね。その時のキーワードはやはり「Take it easy !」でしょう。