好奇心旺盛なこっこは、不登校になってしまったクラスメートや、両親が別居するという友達にも関心を持ちます。そんな中、こっこはお母さんのお腹に赤ちゃんがいることを知らされますが、全然うれしくありません。大喜びする家族の姿に、なぜ自分だけうれしくないのか悩むこっこ。彼女が家族の中で一番リスペクトしているおじいちゃんの石太(平幹二朗)は、英語の“イマジン(imagine)”という言葉をこっこに教えます。「相手の立場を想像してごらん」と……。

こっこは疑問に思ったことをすぐに相手にぶつける
こっこは疑問に思ったことをすぐに相手にぶつける

 兵庫県出身の愛菜ちゃんが、愛くるしい顔からビックリするようなコテコテの関西弁を繰り出し、「うっさい、ボケ!」が口癖のこっこを好演しています。両親や祖父母、三つ子の姉達から愛され、かわいがられながらも、こっこはそれを疎ましく感じ、「これは何が変なの?」「どうしてこれはいけないの?」と、いつも疑問が頭の中で渦巻いています。ひと夏の間にさまざまなことを経験し、成長していくこっこを見ていたら、自分の小3時代を思い出しました。

愛くるしい愛菜ちゃんがこっこを好演
愛くるしい愛菜ちゃんがこっこを好演

 実は、私もこっこのように人と同じであることを嫌い、女の子なのに木に登ったり、急坂をローラースケートで滑り降りたり、危険にチャレンジするのが大好きな子でした。私のことを真面目な子だと思っていた両親は、私がそんなことをしていたとは全く知りません(苦笑)。その反動か、自分の子どもに対しては、いつも危険から遠ざけようと、かなり過保護になっているかもしれません。

 こっこの家では、狭い部屋の中に中華料理店のような大きな円卓が置かれ、それを三世代の家族全員で囲んで食事をします。こんな家族だったら、子どもの成長や異変にすぐに気づいて、困ったことがあれば、みんなで話し合って解決できるだろうな。そんなふうに感じて、心が温かくなる本作を、ぜひ親子で楽しんで、子どもの疑問や悩みに答えてあげるきっかけになったらいいなと思います。